NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会

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2015/07/01(水曜) 16:02

会員の活動紹介-10

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今月は  群馬県高崎市の「あすなろクリニック」 院長 山田敬之先生にお話しを伺いました。

ー 先生のキャリアを教えてください。

1990年に群馬大学医学部卒業後、同大学並びに群馬県内の複数の病院で勤務、2008年「あすなろクリニック」を開業致しました。

ー 湿潤治療を知った切っ掛けは?

確か2002 3年頃、ある医療メーカーのMR(医薬情報担当者)さんから「こういう治療方法があるのですが、先生ご存知ですか?」という情報をいただきました。そこから興味を持ってネットで調べ始めたんです。
それまでは当たり前ですけど、キズは当然消毒しなければいけないと思っていたし、とにかくイソジンを塗ると・・・。
湿潤治療を最初に聞いたときは「何言ってんだよ」っていう気持ちはあったんですけど、頭っから否定するのもどうかなと思ってちょっと見てみようと。そして夏井先生のページにたどり着いたんですが・・・衝撃的でしたね。
実は当時勤務していた病院に非常勤でいらっしゃる菅野先生という方が湿潤治療に詳しいことを後から知ったんです。で、早速いろいろと相談するようになりました。

ー 当時の勤務先の病院で湿潤治療を実行できたのでしょうか?

ココだけの話ですがね(笑)、正直言うと黙ってやっていました。それ(湿潤治療)が分かった段階で、たぶん怒られるでしょうから(笑)。 まずは小さいキズの時にやってみようかなと。
いずれにせよ菅野先生にご相談できたので割とすぐできました。それがなかったらどうだったんだろうと今は思いますね。

 次の勤務先でもちょっと理解してくれる上司と全くダメという上司が一人づついて、そこも自分の外来患者の時だけ細々と(湿潤治療を)やっていました。 幸いトラブルもなかったので結果、問題なかったです。

 開業前の3年間は下仁田厚生病院にいたのですが、そこは自分がトップとして赴任したので湿潤治療に切り替えてしまいました。

ー そこのスタッフは問題なかったのですか?

部下も湿潤治療には興味があって少しだけ始めていたところだったので「じゃあ、これやろうよ」という話にもなりました。
頭ごなしに一気に切り替えたのでは無く、看護師さん含め、スタッフにも「こういうやり方があるので少しづつやってみましょうよ」という感じで始めたので、スムーズに移行できました。

ー 湿潤治療を行っていく上で何か問題点などはありませんか?

プラスモイストが保険が利かないじゃないですか(*)、それを患者さんに購入してもらうことに困ったことがありました。
当院は院内薬局なので混合診療になってしまうということです。結局患者さんには(取り替え分を院内ではお渡しできずに)ネットなどで注文してもらう状況になってしまうので・・・。それがネックとなって他の病院でも困っている(湿潤治療が進まない)原因になってる可能性もあるんじゃないですか?

ー 湿潤治療を行っていて他に気がついたことなどありますか?

ヤケドの患者さんが結構来院するんです。夏井先生のサイトを見て当クリニックを知って・・・ イソジン消毒されて泣きの涙でこっちに来て、全然痛くなく治療ができてよかったと言われる患者さんがとても多いですね。

また、当クリニックが湿潤治療をやっていることで信頼を得るのでしょうか、キズの治療ではなく、ケガとは全然関係の無い他の病気でも遠くから患者さんが来るといったことが起きているのが面白いですね(笑)。

ー 湿潤治療を普及させるためにはどのような取り組みが必要でしょうか?

現状、全国的に医師会などの組織が動くのは難しいと思うんです。 特に高齢の先生方は怖いんだと思います。今までやってきたことを覆すということが・・・パラダイムシフトが起きるのが恐ろしいんじゃないですかね? 今、私どもの地域の中でメーカーなどを入れない、しがらみの無い独自の勉強会を企画しています。そこに若い先生が来ることがあると思うので、そういったことからスタートして少しづつ広めていければと思ってます。

また、山田先生は最後に「医学は科学なので、多数決じゃなくて科学的に正しいかどうかが判断基準になります。そうであるがゆえに湿潤治療を進めていくべきだと思います。」とおっしゃっていました。


あすなろクリニック
http://asunaro-cl.jp

 

*) 一般医療機器(クラス1)であるため保険償還品でない(手技料に含まれる)プラスモイストや各種フィルム材については、保険償還品である創傷被覆材(クラス2、3)と比べかなり安価に設定されていますが、保険診療分と同時に自宅交換分などの実費請求はできない事になっております。 しかしながら、保険診療の会計外としてマスク等を販売するのと同様に患者さんの希望で患者さん自ら購入されるものを病院内の窓口で販売されている例もあります。 また多くは院内売店や調剤(門前)薬局などで交換分を販売されているようですし、ネット販売についても、翌日到着など素早い配達ができるところも増えているようですので、病院・施設の状況に合わせたご判断で患者さんに適切な治療を受けて頂けるようになることを望みます。(NPO事務局より)

3596 回読まれました 最終修正日 2015/07/01(水曜) 16:42