NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会

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2016/07/25(月曜) 17:05

会員の活動紹介-18

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今回は名古屋市昭和区の杉浦医院 院長、森 亮太先生にお話しを伺いました。

 

- 医師としてのキャリアを教えてください。

 

1998年に名古屋市立大学医学部卒業後、淀川キリスト教病院、名古屋市立東市民病院、国立療養所恵那病院(現市立恵那病院)、名古屋共立病院、第一なるみ病院を経て、20104月から杉浦医院の副院長として勤務し、20111月より院長を務めています。

 

- 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

 

恵那病院にいた時期の2002年だったと思います。そこに勤務していた整形外科の先生が夏井先生の講演を受けたことがありまして、その先生からキズの治療にこのような方法があると伺ったんです。それで早速自分でも夏井先生のホームページを見て、これは確かに良いかもしれないと思い、次の機会を待って私も夏井先生の講演を聴きに行きました。そこから確信を持って湿潤治療に取り組み始めることとなりました。

 

- それ以前、病院では全く湿潤治療は行われていなかったのですか?

 

そうですね、実際に病院内で湿潤治療を行ったのは2003年からだったと思います。救急室で湿潤治療に対応できるシャワーの設置など、水洗いの設備を整える環境に致しました。

 

- 大きな病院などではすぐに切り替えるのが難しいということを聞くのですが、そのあたりは大丈夫だったのでしょうか?

 

その少し前から鳥谷部先生のラップ療法が話題になっていた時期でした。私は外科医として勤務していましたが、褥瘡の治療にも関わっていてラップ療法を取り入れ始めた頃でもありました。そこで良い結果が出ていることも確認できていたこと、それと幾つかの外傷治療も湿潤治療を行ってキレイに治っていたこともあり、それほど大きな問題もなく切り替えることは出来ました。

また、最初に夏井先生の講演を聞きに行った医師と私2人で湿潤治療を薦めて行けたことも大きかったかもしれません。

 

- その他の外科の先生方も賛同いただけたのでしょうか?

 

反対される方はいませんでしたが、一部の先生は従来の治療を続けていたかもしれません。

実際、病院によっては医師によって治療の仕方が異なることは珍しいことではありません。個々の担当医師の裁量に任されているところも多いと思います。現に、私の知っているある大きな病院でも、救急センターは湿潤治療を行っている一方、別の部署では皮膚移植を行っているという状況です。

ただ、そもそも褥瘡で皮膚以下の筋膜や骨膜まで欠損していても、ラップ療法によって実際に治っている訳ですよね。ということは、どんなヤケドでも外傷でも基本的には同じ原理、経過をたどって治ることは確認できる訳です。それが傷が深いとか、ヤケドの場合は植皮で治すっていうのは全くナンセンスだと思うんです。

そして湿潤治療の素晴らしい所はまず痛みが少ないことですね。昔はガーゼをあてて、治療の度に剥がして血は出るわ、組織は壊れるわ、乾燥するので痛みも引かないのに比べて、痛くなくて、(被覆材を)剥がすのも簡単で、傷の治りも早く、跡も残りにくい・・・湿潤治療を経験すればすぐにわかるので従来の治療に拘る意味は全くないですよね。

 

- 湿潤治療を行っていて困ったことなどありましたか?

 

特別には思い出せないのですが、基本的に夏井先生に相談すればメールがすぐに返って来るので、あまり心配することなく処置出来ていたのだと思います。確かに何度かは困った症例があったとは思いますが、メールで画像を送ると即座に適切な処置を指示いただけていたので・・・。強いて言うと少し前に男の子が手にヤケドをして瘢痕化するのではと心配して相談したところ、「これは大丈夫」とアドバイスをいただいたことで冷静に治療に専念できた事などもありました。そういう意味では私にとっては夏井先生あっての湿潤療法と思います。

 

- 湿潤治療を普及させるためには何が必要でしょうか?

 

毎年、学生が実習に来ますので、その時には湿潤治療の講義をすることにしています。また実際の治療の現場でも治っていく様子を見せることで将来、彼らが外科や皮膚科に就いたときにこの経験を活かせてもらえればと思っています。毎年10人くらいの実習生が来るのでそれが10年経てば100人になる訳なので・・・・。

 

- 大学の医学部で湿潤治療は取り上げている様子はありますか?

 

基本的には教わってないようです。ただ、最近の教育では消毒しないことも取り上げられているようですが、その後の処置に関してはまだまだ遅れているようで、具体的な湿潤治療の知識を持っている人は少ないようです。消毒はしないけれど適切とは思えない軟膏やらクリームなどを塗ってガーゼをあてる、とか、ワセリンは塗る、だけどその上からガーゼをあてるなどの処置が行われるなど、間違った治療で湿潤治療の評判を悪くしている可能性があることが心配です。

 

- その他、何か伝えたいことなどありますか?

 

インターネット上で当院を知って来る方も多いので、ネット上に情報を上げていくことの必要性を感じています。

また、湿潤治療をやり始めた医師の方々には積極的に夏井医師にコンタクトを取って湿潤治療を実践していって欲しいなと思います。

それから医師の方々も普段の生活でケガをすることがあると思うのですが、その時は実験を兼ねて自分の身をもって湿潤治療を体験して欲しいと思います。それを経験すれば湿潤治療の正しさが即座に理解できると思いますから。

 

 

杉浦医院

 

http://www.yagoto-mori.com

1992 回読まれました 最終修正日 2016/07/25(月曜) 17:09