NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会

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2016/09/01(木曜) 14:01

会員の活動紹介-19

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今回は常盤台病院にお勤めの小林宏之看護師にお話しを伺いました。

- 看護師としてのキャリアを教えてください。

高校を卒業して看護学校に通い、そのまま地元福岡の病院の正看護師として仕事に就きました。そこで6年ほど勤務した後、2002年に東京の病院に移り、いろいろな現場を経験しながら2009年くらいから褥瘡患者のケアをすることが多い病棟での勤務をしています。

 

- 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

 2012年の末頃だったと思います。もちろんそれまでに学校などで習ったこともありませんでしたし、湿潤治療で処理する医師に就いたこともありませんでした。少し前に「ラップ療法」という名前だけは聞いたことがあったようには思いますが、あくまでも“聞いたことがある”程度でした。

  

- 具体的にはどのような状況で知ることになったのですか?

 日々、現場で褥瘡の処置をしているのですが、なかなか治っていかないわけです。ただ、正直申し上げて終末医療的な患者さんも多く、栄養状態や回復力に限界があるような方も多かったのでそれが当たり前でしょうがないものだと思っていたのですが、実際の処置をしている中で何かもっと良い方法がないものかと・・・。そんな時、ガーゼを使わない処置の仕方があることを耳にしたんです。ただしその時点ではどんな素材が良いのかわからないので色々と調べてみました。その時に夏井先生のサイトに辿り着いたんですね。

ただ、私は看護師の立場ですから勝手に治療法を変えることなど当然できることではありません。

 

- 担当の医師に相談するのも難しい?

そうですね、正直それはかなり勇気がいることだと思います。

ある時、何気なく医師に湿潤治療の話を振ったこともあったんですが、やはり否定されてしまったので悶々と従来の治療のままを行っていました。

ただ、日々のケアの中でせめてガーゼに替わるもので何か良い素材がないものかと探すような毎日でした。

そんな時に「湿潤治療(モイストケア)を推進する会」が設立されたことを知り、早速入会したんです。そして2014年の秋に行われたフォーラムに参加させていただきました。その時、出席された上條看護師や同じような経験をしている看護師さんたちといろいろ話ができ、アドバイスをいただき、ちょっと前向きに考えることができるようになりました。

そしてその少し後の2015年の初冬にある患者さんの褥瘡の具合がひどくなり、どんどん広がっていってしまったんです。何をやってもダメで文字通り手の施しようがないというか・・・その時、師長さんが最後の手段として湿潤治療でやってみようという決断をしてくれたんです。そして私がその処置を担当することとなりました。そうしたら目に見える形で効果が出てきたんです。そこから他の患者さんにも試してみようということで徐々に湿潤治療を広げていくことが出来ました。そんな状況を師長さんが担当の先生に報告し、強く押してくれたこともあり、結果も出てきていたので通常の治療としての許可が降りることとなりました。

  

- ご自身で処置を行って行く中で不安はありませんでしたか?

 自分も最初のうちは恐る恐るという状態でしたが、かなり深い褥瘡がびっくりするくらいきれいに治ったりしているのをみて、改めて湿潤治療の効果を感じることができました。また、フォーラムで知り合った看護師さんや上條看護師に相談できたことが大きな力になっていますね。

私が勤務している病棟では高齢の褥瘡患者さんが多いので、かなり深い褥瘡の方も多く、中には骨まで露出してしまっているような患者さんもいたんです。その方は体力的にも回復が見込めないような状況だったんですが、湿潤治療で創部が回復していく様子がみられたことは本当に驚きました。今までだったらどんな(高価な手段を使った)治療をしても回復の見込みがないような創部が穴あきポリ袋で完治してしまうのは驚きですよね。それまで教科書で習ってきたことって何だったんだろうなと思います。

実は看護師よりも介護士さんの方が湿潤治療を受け入れやすいように思います。医師もそうなんでしょうけど、看護師など専門的な勉強をしている人ほど湿潤治療を受け入れにくい傾向があるように思います。確かに頑になるのはわかるんですよね、高いお金出して一生懸命勉強して時間をかけて資格を取って・・・それが消毒もしない、水で洗っておけば良いって言われちゃうと・・・全て役に立たなくなるワケだから・・・(笑)

  

- 湿潤治療を広げるために何かヒントになるようなことや伝えたいことはありますか?

 介護の現場に於いては予算の関係でなかなか湿潤治療専用の被覆材が使えない問題もあり、穴あきポリ袋などを利用して処置していることが殆どです。もし、食品用ラップや穴あきポリ袋と同じ様なものを『医療用』として安く販売してくれれば最適なんですけどね・・・。

それから私のように一人で悩んでいる看護師さんや介護士さんなども多いと思うんです。私はこの会に入ってフォーラムに参加したことで多くの仲間と知り合うことができ、励まされたことで湿潤治療を活かすことができました。なので、ぜひ会に入会したり、SNSなどでコンタクトを取って仲間を増やしてみることも良いのではないかと思います。

また、ぜひ光が丘病院に見学に行って上條看護師の話を直に聞いたり、治療の様子を見学することも良いのではないかと思います。

 

常盤台病院

 http://www.tokiwadai-hosp.jp/

2170 回読まれました 最終修正日 2016/10/14(金曜) 12:57