NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会

facebookもご覧下さい

事務局

2016/03/16(水曜) 10:54

学校での湿潤治療講習会

去る3月7日、千代田区立九段中等教育学校にて湿潤治療講習会を行いました。

千代田区の「健康・食育・体力向上プラン」という事業にもとづき、年に数回、保健関係の講演会等が実施されており、かねてより湿潤治療に理解のあった養護教諭の方から依頼をいただきました。

2016/02/03(水曜) 11:29

会員の活動紹介-17

 

今月は千葉市若葉区の小倉台福田医院 院長 福田世一先生にお話しを伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください。

平成14年、帝京大学医学部卒業後、腎臓内科に入局しました。そして平成23年4月から義父が開業していた「小倉台クリニック」に勤務し、翌年、「小倉台福田医院」を開院いたしました。

 

ー 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

研修医時代に、夏井先生のホームページを見て知りました。
湿潤治療で傷がきれいに治ることに驚きと感動を受けました。当然ですが、大学病院で湿潤治療はしませんので、機会があれば湿潤治療を試してみたいと考えていました。

 

ー では実際にご自身で湿潤治療を始めたのはいつ頃からですか?

大学病院での研修も終えて某病院で軽度の創傷処置をする機会があり試みていました。経過も良かったので、現在の勤務先で本格的に行うようになりました。

 

ー 湿潤治療を始めた時点で不安はなかったですか?

基本的に怪我の患者さんに比べてヤケドの患者さんは症例数が少ないので、経験を積む頻度が少なく不安がありました。

ー 実際に自信を持てるまでにどのくらいかかりましたか?

ある時、ひどいヤケドを負った患者さんが来院されたことがあります。開院して半年くらい経った頃だったと思います。両手をヤケドして感染も起こしてしまっていました。その時はかなり苦労しましたし不安もありました。夏井先生にメールでアドバイスを受けながら粘り強く治療を続けました。完治するのに1年近くかかりましたが、最終的に傷跡がわからないほどキレイに治すことができました。その経験があってかなり自信を持つことが出来ましたね。

 

ー 湿潤治療を行っていて気がついたことなどありますか?

先ほども申したように怪我の患者さんは多いため、怪我を湿潤治療で治す経験値は高くなりますが、熱傷の患者さんは怪我より症例数が少ないため、経験値を高めるのが難しく、感染の合併症など不安を抱えながら治療をしていく怖さを感じる医師は多いと思います。その怖さから従来の乾燥治療から離れられないところもあるかもしれません。

 

ー 湿潤治療を普及させるためには何が必要でしょうか?

情報発信をしていくことが大事だと思っています。
その意味もあって当院のホームページでは湿潤治療による治療経過を写真掲載しています。
あとは創傷被覆材が保険を利用して患者に安価で渡せるようになればもっと普及するのかもしれませんね。

 

 

小倉台福田医院

http://oguradai.juno.bindsite.jp

 

2016/01/07(木曜) 09:07

会員の活動紹介-16

 

今月は和歌山県田辺市で開業されている「赤ちゃんとこどものクリニックBe」院長 番 浩 先生にお話しを伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください。

1986年、神戸大学医学部卒業後、和歌山医大の小児科に入局しました。

その後、海南市民病院、社会保険紀南病院、医療法人榎本産婦人科を経て2012年6月に当クリニックを開院致しました。

学生の時に臨床実習を巡っている中で、最初は外科系に進む予定だったのですが、小児科を目指すようになりました。

大人の病気を診るよりも未来の希望である赤ちゃんや子供を診ることに惹かれていったのかもしれません。

 

ー 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

よく覚えてないんですが、たぶん10年くらい前になると思います。

おそらくネット上で湿潤治療のことは知っていて、夏井先生の講演をどこかの学会で聞いた後、夏井先生のホームページや著書で深く勉強するようになりました。

それ以前は大学の授業でも勤務先の臨床現場でも湿潤治療を習ったり、処置を行うことは全くなく、当然、存在さえも知りませんでした。

 

ー 実際に湿潤治療を始めたのはいつ頃からですか?

その当時は総合病院の小児科に勤務していたので外傷の患者を診ることはほとんどありませんでした。

たまに小さい怪我とか、知り合いが怪我した時などに処置を行っていた程度です。

次に勤務した榎本産婦人科ではホームページなどに載せたりして積極的に行うようになりました。

ここは院長と二人体制だったのですが、自由にやらせていただきました。

 

ー 湿潤治療を行う上で不安はなかったですか?

小児科や産婦人科だったのであまり大きな怪我で来院する患者さんもなく、幸いなことに擦り傷や小さなキズ、深くないヤケドばかりだったこと、また、処置を行ったキズがトラブルを起こすこともなく、すべて順調に治療ができていたので徐々に自信を持って行うようになれました。

クリニックを開院してからは湿潤治療を求めてくる患者さんが増えてきたのでスタッフに向けての勉強会なども開いています。

 

ー 周りにもたくさんのクリニックがあると思うのですが、湿潤治療を取り入れようという雰囲気はありますか?

小児科の集まりなどでは症例の報告や情報交換などもしていますが、残念ながらあまり多くは聞かないですね。

私はもともと新しいことをやるのが好きなで、「誰もやっていないからやってみようか」っていうタイプなんです。だから湿潤治療にも興味を持ったわけなんですが・・・。

 

ー 湿潤治療を普及させるためにはどのようなことが必要だと思いますか?

自分の周りには目に見えて反対する方などはいないように思いますし、講演会などを聞かせることができればガラッと変わることもあるかと思うんですけどね・・・そういう研修を聞く場を作れれば多少なりとも効果はあるようには思います。

ただ、講演会開催にあたっては協賛なり、スポンサーが付かないとなかなか開くことが難しいので、そのあたりの問題が大きいのかもしれません。薬関係の講演会は多いんですけどね(笑)。

 

ー その他、訴えたいことなどありますか?

小児科を掲げていますが、もちろん大人の方の湿潤治療も行いますので治療を受けたい方はどうぞご来院ください(笑)。

それから、診療材料(被覆材等)に関してなんですが、保険を利用してお持ち帰りの分を渡せるような状況になると良いのかもしれませんね。

 

「赤ちゃんとこどものクリニックBe」

http://akakodo-be.jp/moisthealing.html

 

 

 

第二回 モイストケアフォーラム

主催:NPO 湿潤治療(モイストケア)を推進する会

日時:201626日(土)15:00 ~

会場:ちよだプラットフォームスクウェア 会議室504

住所:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町321(地下鉄竹橋駅徒歩2分)

第一部 湿潤治療講習会 【対象:一般市民向け(医療関係者の参加も可)】

痛くなくキレイに治る新しい傷の治療法「モイストケア(湿潤治療)」の原理や仕組みを分かりやすく解 説します。また家庭内にある材料で可能な処置、災害時のファーストエイド等も実技を交えて行います。

●参加費:無料 定員60名(先着順)

15:00 開演(14:40開場) 講師:芝浦スリーワンクリニック 院長 望月吉彦先生

15:50 実技実習 講師:練馬光が丘病院 傷の治療センター 上條裕美看護師

16:30 終了


第二部 モイストケアフォーラム 【対象:医療関係者、NPO会員(当日入会可)

『創傷治療の未来を切り開く

~ペニシリンを発見したフレミングは100年前にすでに消毒を否定していた!~

●参加費:非会員¥2,000・会員¥1,000 定員50名(先着順)

17:00 開演 パネルディスカッション ~ 意見交換会

♢パネリスト
NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会 会長 伊藤喜亮先生(きよすクリニック)
・芝浦スリーワンクリニック 院長 望月吉彦先生
・練馬光が丘病院 傷の治療センター 上條裕美看護師

困っている症例大歓迎! パネリストが疑問・質問ににズバッと答えます。創傷・熱傷・褥創など、難治性症例 やご質問をドシドシお寄せください。また、昨年からブラジルに湿潤治療の普及に力を注いでいる望月吉彦医師 には「ブラジルにおける湿潤療法事情」についてのお話しも伺って参ります。

18:30 終了

 

懇親会(自由参加)  19:15~  料金:¥5,000

会場はフォーラム会場近辺で検討中です。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

●お申し込み方法  ※12月21日(月)より受け付け開始

当会ホームページの申し込みフォームにご記入ください。または

『件名:モイストケア2』
1)住所
2)氏名
3)電話番号
4)参加コース〔 A:第一部 B:第二部 C:両コース 〕 
5) 職業:M *(医療関係者〔介護士等含む〕) or G (一般)
6)懇親会〔参加:Y 不参加:N 〕

*Mの医療関係者の方は職種(医師、看護師等)、所属(勤務)先もご記入ください。G(一般)の方は職種記入の必要ありません。

を明記の上、下記までEメール、またはFAXにてお申し込みください。

Eメール: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。   FAX: 03-6431-8809

☞ 携帯よりお申し込みの方は上記アドレスの受信拒否解除をお願い致します。
☞ 定員数に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。

問い合わせ先:NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会
このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

〒102-0075 東京都千代田区三番町7-1 TEL&FAX:03-6431-8809
http://www.moistcare.org

 

2015/12/04(金曜) 12:30

会員の活動紹介-15

 

今月は東京都日野市で開業されている「望月医院」院長 望月護先生にお話しを伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください。

 

昭和59年に弘前大学医学部を卒業しまして同大学付属病院で勤務しました。それから25年間、青森を中心とした北東北の幾つかの病院の勤務医を務めました。そして平成17年に地元の日野に戻り、親が開業していた望月医院を継ぐことになりました。

 

ー 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

 

平成14年7月に当時勤務していた病院で同僚の外科医が夏井先生の講演を聴いてきて、それが切っ掛けで知りました。それ以前は全く湿潤治療のことは存じませんでした。その後、自分自身も夏井先生の講演を聴きに行きました。

 

ー 同僚の方から最初に湿潤治療の話を聞いたとき、望月先生ご自身はどう思われましたか?

 

皆目わからないけれども、まあ、新しい治療なんだなと。ただ納得は出来るけれど、現場ですぐには取りかかれない複雑な事情もありますから・・・。その後、私自身が直接夏井先生の講義を聴くことによって確信は出来ました。

 

ー 当時の勤務先で湿潤治療は認められたのでしょうか?

 

いや、当時の上司からは許可が出ませんでした。同僚の彼は比較的新しいことを積極的に取り入れる人間で、湿潤治療のマニュアルを作ったりしていたのですが、さすがに一回り年上の上司の意見を覆すことは出来なかったですね。時にはヤケドの患者さんの治療で口論になることなどもありました。

私もその時点では湿潤治療が正しいと思っていたので消毒を止め、生食(生理食塩水)で洗う治療を行っていました。

暫くしてその上司が転勤になり、私がトップとなったので湿潤治療に全面的に移行しました。

 

ー 同僚の医師やスタッフの方々の反応はいかがでしたか?

 

既に一部では湿潤治療を行っていたこともあり、スタッフもその傷の治り方を見ていたし、また、実際に導入するとケガの治りの早さが一目瞭然なので全く問題なかったですね。

 

ー 湿潤治療を行い始めて何か感じたことはありますか?

 

初めて湿潤治療を受けた患者さんが治りが早くて驚かれることが多いですね。また、顔のケガなどは特に傷跡が残らずキレイに治るので効果が大きいと思います。

それから、少し前のことですが、膝に重度な皮膚欠損を負ってしまった若い女性の患者さんを診たことがありました。あまりに重症だったので夏井先生を紹介し、処置をしていただき、その後の治療を私が行っていたのですが、無事に完治させることが出来ました。普通の大学病院に行ったら間違いなく皮膚移植されているであろう状態だったのですが、湿潤治療だけで十分対応できることを確認できました。

 

ー 先生のこの地域に於いて湿潤治療の知名度はどの程度と思われますか?

 

いやぁ、まだまだ知られていない気がします。私はこの地域の医師会の理事を務めているんですが、湿潤治療を行っている所も殆ど無いように思います。

因みに医師会のホームページにコラムを書く欄があるのですが、本年の5月に湿潤治療について書かせていただきました。しかしどの程度の方に読んでいただけているのかは・・・?(笑)

 

ー 湿潤治療を普及させるためにはどのようなことが必要だと思いますか?

 

今の私のように開業医であれば自分の責任で行えるので簡単ですが、勤務医という立場はなかなか難しいですよね、一人でやっているわけでは無いので・・・一番上の上司の理解が無ければ無理ですから。 そういう意味では一番難しいことでしょうが、トップの意識改革ができれば手っ取り早いんでしょう。 あとはマスコミを巻き込んだり、外国からの圧力が必要なのかもしれませんね。

 

望月医院

http://www.mochizuki.com/clinic

医師会に掲載されている望月先生のコラム

http://hino-med.or.jp/medicalinfo8.html

2015/11/03(火曜) 23:35

会員の活動紹介 - 14

今月は沖縄県北谷町で昨年開業したばかりの「まちだクリニック」町田宏先生にお話しを伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください。

1991年、昭和大学医学部を卒業、昭和大学藤が丘病院、亀田総合病院、横浜旭中央総合病院、唐沢病院、中頭病院・ちばなクリニック勤務を経て2014年6月にまちだクリニックを開業致しました。

 

ー 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

2002年頃だったと思います。横浜の旭中央総合病院に勤務していたときにキズがなかなか治らない患者さんがいて、試行錯誤していた時に夏井先生のページにたどり着いたんです。早速、湿潤治療の処置を行ったところ、みるみるうちに改善して退院させることができました。

 

ー 湿潤治療に切り替えたとき、病院には認められたのでしょうか?

当時の上司の先生からは自分が正しいと思うことであればやっても良いと言われ、何か問題があれば相談にも乗るし、責任も取るとおっしゃっていただけたので問題なく出来ました。
その患者さんは入院患者だったので、担当の看護師がずっと世話をしている中、「私だけどうしてキズが治らないんだろう」と嘆いていたのを聞いていて、看護師さん自身も親身になってキズを治すための処置を行っていたんです。そして湿潤治療によって治っていく過程も共有できたので、スタッフ間にも問題なく湿潤治療を浸透させることが出来ました。
またその時、私は褥瘡委員という役割も担っていたので、病棟内の内科の患者さんにも治療を広めて行くことが出来ました。

 

ー それ以降に勤務された病院ではいかがでしたか?

大学の病院に戻ったことがあったのですが、やはり術後のキズが塞がらないという相談がいくつもありました。すべて消毒を止めさせたところ、以降、術後のキズが開くことが激減しました。この事例から院内でもっと湿潤治療を普及させようと思い、研修医を指導する立場にいた先生とともに夏井先生からいただいたマニュアルを元に勉強会などを開き、湿潤治療の指導を行って参りました。
その後に勤務した病院でも問題なく湿潤治療を行うことが出来ましたし、湿潤治療を行ってなかった施設では積極的に普及を促進させるための努力を行って参りました。

 

ー 湿潤治療を行っていて記憶に残る症例はありますか?

ブログにも上げてあるのですが数年前に私の息子がちょっと重いヤケドを負いまして・・・。家内は皮膚科か形成外科に連れて行こうと言って・・・実は看護婦上がりなので(笑)。でもこれはさすがに立場上(?)譲れないので「大丈夫だから任せてくれ」という戦いも有り(苦笑)、実際、本人も痛みが少ないということで湿潤治療で完治させました。
また、ヤケドに関しては一度〜二度までの治療経験はあったのですが、今年の夏前に火事で両足を三度程度のヤケドされた患者さんが訪れて参りました。それまでは近隣の総合病院で治療を3週間ほど受けていたそうなんですが、ご自身で湿潤治療のことを調べられて退院して当院に来られたそうなんです。ウチに来た時点ではまだ歩けない状態で車椅子で来院されたんです。その患者さんも日に日によくなり、現在ではほとんど完治に近い状態です。

 

ー 湿潤治療を普及させるためにはどのようなことが必要だと思いますか?

看護師さんがわかっていても医師が首を縦に振らないということも多いようなんですね。若い先生は柔軟に対応できるんですがそういう意味ではやはり世代交代が進まないといけないのかなと。ITを操れる若い世代の医師たちがSNSやホームページなどで情報発信して患者にも医師たちにも湿潤治療の有効性を広めることが必要かもしれませんね。
また、間違った湿潤治療を行ってしまう先生もいるようで、それが元で湿潤治療が誤解を受ける原因にもなり、普及の妨げになってしまう事が気がかりです。

 

ー 今後の活動についてはいかがですか?

開業して1年足らずですが、沖縄でも湿潤治療を行ってる施設は少ないようで、遠くから当院に通われている患者さんもいます。遠方から来院される方にはメールなどでもアドバイス出来るように心がけています。
湿潤療法や糖質制限など新しい治療や情報を広めることに役立てればと思っています。

 

まちだクリニック
http://www.machida-clinic.com

 

2015/11/02(月曜) 15:41

湿潤治療講習会

東京都練馬区にて望月吉彦先生による湿潤治療の講習会が開催されます。

基本的には保育所に通う保護者向けのイベントですが、一般の方の参加も可能です。

詳しくはリンクを参照の上、下記までお問い合わせください。

http://www.babystation.co.jp/news-sk.html

 

『とっさの手当「けが、やけどの治療」“湿潤治療”

講師:芝浦スリーワンクリニック院長 望月吉彦先生

主催:ベビーステーション石神井公園

協力:NPO 湿潤治療(モイストケア)を推進する会

 

日時:平成27年11月28日(土) 14:00~15:00

対象:子育て中の方々、それ以外の方々、地域の皆様

場所:ベビーステーション石神井公園 分室園舎内

   練馬区石神井町2丁目17-4 榎本ビル1F

定員:50名(先着順)

参加費:無料

問い合わせ先:ベビーステーション石神井公園

TEL:03-3997-0107

受付時間:平日のみ 13:00-15:00

担当:廣瀬・堀江 

メール : このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

2015/10/05(月曜) 11:35

会員の活動紹介 - 13

 

今月は横浜市鶴ヶ峰で開業されている「たいクリニック」の田井重行先生にお話を伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください

平成3年に順天堂大学医学部を卒業、大学病院の泌尿器科と麻酔科に勤務しました。その後、平成6年に都立墨東病院麻酔科に勤務、そして平成20年に「たいクリニック」を開院致しました。

 

ー 湿潤治療を知ったきっかけと時期をおしえてください。

墨東病院では救命センターでの勤務もあったので、その時に湿潤治療を経験していました。救命センターではその時点で外傷に関してはに湿潤治療の処置を行っていたので、私もそこで治療法を学んでいきました。また、院内の講習会などでも湿潤治療は取り上げられていたので、特別な治療とは思っていませんでした。 なので開業して擦過傷を負った患者さんが来院して湿潤治療を施したときに患者さんが「先生、消毒しなくていいんですか?」って問われたとき、自分自身は湿潤治療が当然だと思っていたので意外な感じがしたんです。そうしたら実はウチの受付のスタッフとかもみんな知らなくて、逆に驚いたくらいなんです。その患者さんも翌日来院したときに「こんなに早くキレイになるんですね!」と驚かれていたのを記憶しています。後から調べると近辺の外科に2週間くらい消毒に通っているという患者さんの話も聞いて、周りとのギャップを感じたわけです。

 

 ー 大学病院など大きな病院では湿潤治療を行っていないという認識があったのですが、墨東病院はそうではなかったんですか?

少なくとも救命センターにおいては外傷に関しては湿潤治療でしたね。私は当時麻酔科に所属していたので、それ以外の部署に関しては確認していませんが・・・。また救命センターには若い医師が多かったので、因習に囚われずに湿潤治療を行っていたのではないでしょうか。

 

 ー 先生の中では湿潤治療は特別な治療では無かったのですね?

確かに一番最初はこんなんでいいんだ、消毒しなくていいんだっていうのはビックリしましたが、それが現場で普通に行われていたので当たり前だと思っていました。

当院はペインクリニックと泌尿器科がメインなので外傷で来院する患者さんは多くないんです。で、泌尿器科の患者さんが他の外科で消毒している話を耳にしてなるほどと・・・。外科系の先生はそれ(旧来の治療)で治していたという自負もあるので変えられないのでは無いかと思います。特に外科の方々は技術を習得するのに修行(?笑)というか徒弟制度のような風習があるので・・・親分の言ったことは絶対的な縛りがあり、そこから脱却するのが難しいんでしょう。私は泌尿器科と麻酔が専門だったので外科一筋の先生方と教えられてきたことが違ったので、何の縛りも無く湿潤治療を行えていたのだと思います。ただし、広範囲や深い熱傷に関しては経験も少ないこともあり正直、自信が持てないところなんです。特に感染に関しては怖さがあるので24時間体制が可能な大きな病院を紹介する形にしています。もちろん希望する患者さんに関しては湿潤治療での処置を行いますが・・・。

 

ー ペインクリニックの医師として伺いたいのですが、湿潤治療の痛みの緩和に関してはどのようにお考えですか?

皮膚というのは身体の一番の防御機能なのですけど、それが欠損し、神経などがむき出しになると考えればその部分を外界から遮断すれば痛みが治まるのは理に適ったことですよね。急性の痛みというのは危険を知らせる重要なサインなんです。だから無くてはならいもの。しかしずっと放っとくと痛みが痛みを呼ぶことがあって、神経が炎症を起こしたり、血流が悪くなったりで、それが慢性的な痛みとなったりするんです。そういうことを考えると痛みを放置することは身体にとって基本的には良いことでは無い。当然傷の治りにも悪影響を与えることになるのかもしれません。痛みが取れるのであれば積極的に取るべきだと思います。

 

 ー 今後湿潤治療を普及させるために何をすれば良いと思いますか?

こどもやお母さんが集まる場所で講習会をやったり、幼稚園の園医を行っているので幼稚園の先生たちに湿潤治療の話をするようにしています。そういう所で普及を図っていきたいと思っています。医者に関しては患者さんがその意思を伝えて湿潤治療を行わざるを得ない状況を作っていくのもひとつの方法かもしれませんね。

 

たいクリニック
http://www.tai-cl.com

2015/09/03(木曜) 01:14

会員の活動紹介 - 12

今月は北九州市の佐藤医院、院長 佐藤公一先生にお話しを伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください。

 

1991年に杏林大学医学部を卒業し、大学の付属病院の内科で研修医として勤務しました。その後、父が体調を崩したこともあり、時折、実家の佐藤医院のヘルプに九州に戻っておりました。

2005年には杏林大学病院から北九州に完全に帰省し、父から佐藤医院を継承・開業したのが2006年です。

現在は月に1~2回のペースで急患センターの出務や介護認定審査会に出席しており、地域に根差した医療を心がけています。

また、当院は亡父が外科を行っておりましたので、外科の患者さんが多くいらっしゃっる傾向があります。

父は学会や医師会などのやり方には協力できないが、患者さんのためにと急患センターや健診などには休みなく協力しておりました。

そのおかげで、私もそのような生き方になってしまいました。



ー 湿潤治療を知ったきっかけと時期をおしえてください。

 

実家でヘルプを始めた2005年くらいだったでしょうか?

あるときネットで夏井先生の新しい創傷処置に出会い、のめり込みました。

夏井先生とメールでやり取りさせていただいたりしているうちに、いつのまにか旧来の外科的処置との差別化を考えるようになったのが実際のところです。そして臨床例が増えて行くたびに湿潤療法の正しさを体験いたしました。

湿潤治療を知って私の頭に浮かんだのは、消毒という行為はベトナム戦争での米軍の枯葉剤散布、あるいは絨毯爆撃的に焼夷弾を投下したことと同様ではないかと・・・。

ゲリラが隠れている森林を破壊することは、軍人も、民間人も関係なくいっぺんに殺害してしまうわけです。

消毒薬を用いて「バイキン」を「殺してしまう」ことは、上皮化に役立つ細胞にまで損害を与えてしまうことと同じような気がするのです。



ー 湿潤治療を行った上で印象的な出来事はありますか?

 

臨床の中で非常に思い出深いのは2009年頃だったと思いますが、右大腿部を電動サンダーでざっくりと「破壊」してしまった患者さんの傷が見る見るうちに上皮に置き換わり、傷跡もなく治癒したことです。

また、左第三指を末節骨まで切断した患者さんの指が見事に生えそろったときには感動さえ覚えました。

その他にも高校生の女の子が両下肢の2度熱傷で受診されたのですが、時間こそかかりましたが、ほとんど問題なく綺麗に治癒されました。

今、彼女は北九州から離れた場所に転居されているのですが、いまだに何かあると当院まで受診に来てくださいます。これは最高にうれしいですね。



ー 今後湿潤治療を普及させるために何をすれば良いと思いますか?

 

現在、保育園の園医や小学校の校医として活動するときに湿潤療法の啓蒙を少しずつ行っております。

ただ、悲しいことに外傷後、何日も経過して更に消毒液を塗りたくられた創部を見ることが多くあります。

患者さんとしては早く湿潤療法にしてほしかったと訴えますが、未だに「湿潤療法はなぁ・・・」といって取り合わない医師もいるようですね。

ですから患者さんへの啓蒙よりも、医師に真実を知っていただくことが近道なのかもしれません。

ただ、勤務医などは湿潤療法に対する偏見もあり、さらに診療報酬上の問題もありますので、なかなかうまくクリアできないのかもしれません。

勤務医でもそこがクリアできるような方策を打ち出していかないといけないと思います。

患者さんよりも医師の方がわからず屋が多い・・・そんな気がします。



佐藤医院

 

http://members2.jcom.home.ne.jp/satoclinic/situjun.html

 

2015/08/05(水曜) 10:55

会員の活動紹介-11

 

今月は神奈川県の金沢文庫駅近く、庄司クリニック副院長 三浦靖彦先生にお話しを伺いました。

 

ー 医師としてのキャリアを教えてください。

 

消化器外科を中心に横浜市立大学病院、横浜市民病院、横浜掖済会病院、他で勤務後、現在に至っています。

 

ー 湿潤治療を知ったのはいつ頃ですか?

 

横浜掖済会病院にいた2005年くらいの時なんですが、そこは一般病院で患者さんの年齢も高く、その中に褥瘡の患者さんが多かったんです。大学病院にいたときには褥瘡の治療にはあまり縁が無く、あったとしても看護師さん任せで処置の経験が少なかったんですね。実際目の前に患者さんが多くいる状況になって、どういう治療法が良いのかといろいろ模索していたんです。それまでに行っていた褥瘡の処置の仕方も複雑で・・・。そんな時「傷の正しい治し方」という本に出会ったんです。この本を見たら大変わかりやすく、「これ簡単じゃない?」って始めたんですよ。

 

ー それまでには大学や以前の病院で体系的に湿潤治療を学ばれたことは無かったんですか?

 

ないです。この時が初めてでした。大学病院の時は外科に所属していましたが、すべてイソジンで消毒するのが常識でしたから。

 

ー 多くの先生方が湿潤治療に切り替える時は恐る恐るというか躊躇するようなんですが、先生はすぐに切り替えられましたか?

 

先ほど申し上げたように褥瘡の治療は殆ど初めてだったんですね。本にある湿潤治療の症例写真を見ればキレイに治っているし、手間も掛からない。しかも言ってること(書いてあること)も理に適っているのでやってみる価値があるんじゃないかなと思いました。褥瘡治療初心者だったからこそ、素直にできたんだと思います。

で、実際にやってみると感触も良いし、治りも良くて・・・。早速病棟内で広めていこうと思って外科の看護師さん集めて勉強会など開いていきました。

 

ー その時は病院として湿潤治療ができる状況だったのですか?

 

正式に切り替えたわけでは無いのですが、現場では私が責任者みたいな状況だったので勝手にできてましたね。ただし、他の科までは関われなかったです。

 

ー これほど結果としてキズが治ってるし、論理的なのに何故他の医師の方々は湿潤治療を否定するのでしょうか?

 

「否定」というより「考えない」じゃないですか?。ずっと消毒するのが当たり前とすり込まれているので疑問も持たない?。今までそうやっていたから、これからもそうやって行く・・・。

何の分野でも進歩しているじゃないですか。僕も今、消化器内科医として内視鏡なども行いますが、内視鏡の分野でも日々進歩しているわけです。いろいろなセミナー出たり、学会に参加したりして新しい処置の仕方を研究しないとどんどん遅れていってしまう。だけど、昔ながらのやり方でもできないこともない・・・。新しいことを取り入れようとする人は若くても年を取っていてもいろんな情報を入れていくが、そうじゃ無い人はそのままなんですよね。困ったことに過去ずっとそうやって(一応)治っているし、湿潤治療をしなくても治るキズは治っているのだから無理に新しいことをやらなくても良いという論理なんだと思います。

ある病院に勤務していたとき、僕が傷の手当てをしてガーゼを充てるワケです。そうすると上の先生がガーゼの(何枚か重なっている)表面の一番上の部分を外していくんです。ある時「何故ですか?」って聞いたら「君が直に触っているのでそのガーゼは汚染されている、キズに感染しないように外している」ということなんです。その当時は清潔・不潔という概念がそんな感じだったから・・・。外科医は「清潔・不潔の概念」をたたき込まれていて、看護師からガーゼの受け渡しの仕方まで徹底して教育されていくので、だからそういう思考回路から脱するのは難しいんだと思いますよ。

大学病院などの大きな組織の中にいると、トップがそのような概念を持っていると下がそれをはじき飛ばして新しいことを主張していくのは難しいんだと思います。

でも実は外科の手術でも昔と常識が違っていることは結構あるんですよね。例えば腹腔鏡の手術なんかで昔の常識が飛んでしまっていることもあるわけで、昔はこうしなきゃいけないと言われていたことが今は必要ないことはいくらでもあるんです。それ以外にもたくさん同様なことはあって、その中でもキズの治療なんかは最たる物ですよね。でもこんな簡単なキズの治療が変わっていかないのが不思議なくらいです。

 

ー 湿潤治療を行った上で困ったことはありましたか?

 

最近は湿潤治療も知れ渡ってきたのでそんなことは無いと思いますが、初期のうちは患者さんの理解を得るのが難しかった記憶もあります。消毒しないことへの抵抗、「水道水で洗えばいいですよ」っていうところに抵抗が結構あったようで、(病院の)外で「この病院はろくな治療をしない」と言っていた方がいたという、風の噂で耳にしたことがありましたね。それはまずいということで、(水道から直接でなく)滅菌生理食塩水で洗い流したりとか、それを浸した綿球で拭ったりといったパフォーマンス(?笑)で患者さんに不安を与えないような処置をしたこともありました(笑)。消毒とか滅菌しなくても良いと言うことを理解していただくことが大変でした。

でも実はこれも困ったことがあって、湿潤治療を行っている病院として夏井先生のサイトに登録していたので、それを見てきた患者さんがその処置を「消毒している」と誤解されてもまずいなあと(笑)。

 

ー 湿潤治療を行っていて印象的なことはありますか?

 

子供のヤケドはホントに治りが早いです。とくに乳幼児は感動的に・・・。親御さんの動揺が激しいのでそういう意味では効果が大きいかもしれません。

 

ー 湿潤治療普及のためにはどうすればよいでしょうか?

 

以前の病院ではベテランのコメディカル(病院内の医療スタッフ)の中には受け入れられない人もいて、そのような人を説得していくよりも若い人、積極的に新しいことを受け入れてくれる人に知識を広げていってもらうことに力を注いでいました。

また「消毒信仰」(?笑)を無くすのはなかなか難しいですね。これは医療関係者のみならず一般の方に対してもですけど。そのためにはいろいろなメディアに取り上げていただくのが効果的なのだと思います。

また、当クリニックの院長が校医として関わっている学校もあるので子供への啓蒙ができていければ良いと思ってます。

 

 

庄司クリニック

http://www.shoji-clinic.jp

 

1 / 5 ページ