NPO湿潤治療(モイストケア)を推進する会

facebookもご覧下さい

「あっ」と思った時のファーストエイド

ケガやヤケドは初期対応によってその後の治癒にも影響が出てきます。「あっ」と思ったら、ぜひ以下のファーストエイドを参考に初期対応をして、医療機関にかかるなど適切な対応をとってください。

湿潤治療とは

galile2.png

 

〜 外傷治療のパラダイムシフト 〜

 

19世紀の治療から21世紀の治療へ

 

「地球は丸い」「天動説から地動説へ」など、人類の歴史の中では数々のパラダイムシフトが起こりました。また身近なところでは体育会系御用達の「ウサギ跳びで足腰を鍛える!」「運動中は水を飲むな!」「投手に水泳は厳禁!」等々ありましたが、今ではすべて否定されています。

 そして今、外傷治療の分野でもまさにパラダイムシフトが起きているのです。

長年、儀式のように行われてきた「ケガをしたらまず消毒」「傷跡は早く乾かす」「カサブタを作って治す」「大火傷には皮膚移植*」が、すべて“迷信”となりつつあるのです。

ただ、地動説がコペルニクス~ガリレオといった時代を過ぎてもなかなか認められなかったように、未だ多くの医療機関にて旧来の治療法から抜け出せずにいます。

 当会においては一刻も早く旧来の治療法の一掃し、最新の治療法である「モイストケア」の推奨と啓蒙を行い、一人でも多くの患者を痛みや傷跡の悲劇から救出すべく活動を行っています。

 

 

モイストケアとは

 

従来の治療方法はケガや火傷を負うと、創面を消毒し、軟膏を塗り、ガーゼを当てて乾燥させ、カサブタを作る手法をとっていました。

それに対してモイストケアは、創面を水道水などで洗浄後、消毒はせず、創面が乾燥しないよう滲み出る滲出液で満たし、カサブタを作らずに治療する最先端の治療方法です。

湿潤治療の最大の効用は痛みが劇的に減少することです。

.png

 

 

モイストケアのメリット
・ 痛みのない治療
・ 傷跡の残りにくい治療
・ 治癒期間の短縮
・ 治療費の削減

 

乾かしてはいけない理由 ⇒ 滲出液には治癒力がある

ケガをした場合,傷口から液がしみ出してきます。この滲出液 ( ジュクジュク)は従来、傷の治りを悪くするものと思われてきましたが、最近はこのジュクジュクに傷を修復するための大切な成分が含まれていることが分かってきました。実際の医療現場でも、滲出液をうまく利用したケガやヤケドの治療が盛んに行われています。

 

消毒してはいけない理由 ⇒ 自分自身の細胞にダメージが・・・

創面消毒の目的はバイ菌(有害微生物)を殺すことですが、同時に傷を修復させるための自分自身の細胞 (細胞成長因子 )をも破壊してしまい、治癒を妨げる原因となります。また、人と共存している無害な常在菌も殺してしまい、その常在菌が死滅することにより、普段は皮膚深層に侵入できなかったバイ菌が繁殖(化膿)してしまう恐れが出てきます。したがって、創面は水道水等によって物理的に洗浄するのみとし、湿潤環境を保ち、治癒を促進することによって感染を起きにくくするのが湿潤治療なのです。 

 

湿潤状態は “痛くない”

外部からの刺激が皮膚組織に通っている神経に伝わって痛みを感じます。また、皮膚組織が損傷すると神経が露出するため、非常に強い痛みを感じます。さらに、傷が空気に触れて乾燥することで神経を刺激したり、傷つけることになり、痛みが増すことになります。そこで、傷口を乾燥させないように保護材料でやさしく包むことで痛みを和らげることができます。

.png

 

湿潤治療用被覆材による治療

 

出血している場合は、まず止血※)を行います。出血が治まれば、キズ口をよく洗ってキズに付着したごみなどの異物を取り除きます。通常、生物の皮膚や腸には、ごく普通に細菌がいて、細菌がいるだけでは、体に悪い影響を及ぼす事はありません。

一方、化膿(感染)とは、キズに細菌がいて、炎症をおこしている状態のことをいい、痛み、発赤(キズの周囲が赤くなる)、はれ、熱を持つなどの症状が出ることをいいます。キズが化膿(感染)する場合は、キズにごみ(木片、トゲ、木の葉、土、錆び)などの異物が残っている場合がほとんどで、これら異物が細菌の栄養源となり、細菌が爆発的に増えることで化膿(感染)に至ります。また、痂皮(かさぶた)や壊死組織(死んだ組織)なども、同様に細菌の栄養源となり化膿(感染)の原因になります。したがって、化膿(感染)を防ぐ上で、キズ口に付着した異物を取り除き清潔にすることは、非常に重要な処置になります。

なお、キズ口を清潔にするには消毒薬を使って消毒することが一般的とされてきましたが、最近ではキズ口の組織までダメージを与えてしまう消毒薬を使用するより、むしろ水道水や生理食塩水などできれいに洗い流す方が効率的でかつ有効であるということから、主に洗浄処置が中心に行われています。

動物に噛まれた時など、キズ口が小さく、深いキズは、キズが化膿(感染)し易いため、直ちに医師の診断を受け適切な処置を行って下さい。また、洗浄してもキズ口に異物が残って取れない場合も速やかに医師の診断を受けることをお勧めします。

※)止血方法
キズ口を出来るだけ心臓より高くなるように上げ、出血個所を静かに圧迫します。
“ロープ等で心臓側を縛る”は迷信で、止血効果を得られるものではありません。)

 

.png

 

 

モイストケアQ&A

Q:本当に痛くないの?
A:傷の処置で痛いのはガーゼなどを交換するときの痛みです。ガーゼを当てると傷口から出る血液や浸出液が乾いて張り付いて非常に痛いですよね。モイストケア(湿潤治療)では創面を乾燥させない被覆材を使用するため、交換処置の時の痛みはほとんどありません。

Q:貼る前に傷口を水道水で洗うのはなぜですか?
A:傷口に土やごみなどの異物が残っているとバイ菌が繁殖し、傷口が化膿することがあります。それを防ぐために十分に傷口を洗うことが大切です。

Q:キズ薬や軟膏は塗らなくても治るの?
A:多くの軟膏には乳化剤(界面活性剤)や消毒薬が含まれているため、キズを悪化させる場合があります。モイストケア(湿潤治療)においては乾燥(=痛み)を防ぐために直接専用被覆材で覆うか、ワセリン等を塗布することを推奨しています。

 

 

※「迷信」や「おまじない」ではありません

「消毒をしない」「クスリを塗らない」などと言うと、非科学的なトンデモ治療と思われる方もいるかもしれませんが、モイストケア(湿潤治療)こそ、科学的に証明された“最も合理的で最先端な治療法”です。*日本皮膚科学会や日本褥瘡学会の診療ガイドラインでも認証されています。

なお、モイストケアは自宅で簡単に処置ができる治療方法ですが、すべての治療を自宅で行うことを推奨しているものではありません。キズの状況により、湿潤治療を行っている医療機関での治療をお勧めします。

 

 

自然治癒力”?

 「湿潤治療は,人間の体が本来持っているが自然には発揮されない眠っている治癒メカニズムを引き出すために,極めて人工的環境を作り出すこと」です。創傷治癒のメカニズムは多細胞生物が海水中に生まれた時に獲得したもので,海水中では創面は乾燥しないため,自然の状態で治癒が進みます。

 しかし,多細胞生物はデボン紀に陸上に進出しますが,それ以来「自然な状態」では傷は治らなくなりました。大気は乾燥しているため,自然な状態では傷は乾燥するからです。そのため,傷を治すためにはなにか人工的な手立てをして「海水中と同じ環境」を作ってやることが必要になります。それが湿潤治療であり創傷被覆材でありラップでありワセリン基材の軟膏です。要するに,極めて人為的,人工的治療です。

 

 

*以下の損傷は湿潤治療を行っている医療機関にご相談ください。
・広範囲な熱傷・擦過傷、深い切り傷、刺し傷、動物による咬傷など
・治療中、患部に腫脹・疼痛・発赤・局所熱感が見られるとき
・糖尿病などを始めとする、血流障害がみられるとき

 

※モイストケアの詳細は下記ページをご参照ください。

title-1.jpg wrap.png

 

当NPOのチラシをダウンロードできます。

どうぞ、ご利用下さい。

チラシをダウンロードする

ペニシリンを発見したフレミングは100年前にすでに消毒を否定していた!

論文を見る